どうもHOSHです!
お待たせしました!(?)
前回唐突にはじまった、初心者向けのピストバイク講座的な記事の第二弾です!
今回はピストバイクの代名詞的なトリックであり、制動テクニックでもある『スキッド』について説明します。
さらに、スキッドをするうえで考慮しておいた方がいい『スキッドポイント』についても説明していこうと思います。
前回の記事はこちら
スキッドとは?
スキッドとは、固定ギアであるピストバイクで走行中にペダルを止め、後輪をロックさせることでタイヤを滑らせるトリックの総称です。
スキッドの種類としては、
- スキップスキッド(スキッピング)
- ショートスキッド
- ミドルスキッド
- ロングスキッド
ロングスキッドについては制動力に乏しいため実用的なテクニックとは言えませんが、それ以外のスキッドはいずれも街乗りでは必須テクニックと言えます。(ブレーキがあればこの限りではありませんが、、)
今やブレーキレスでピストをはじめる人もほとんどいないと思うの
リアタイヤから荷重を抜いてタイヤが滑り出す感覚、
まさにスキッドはピストバイクの醍醐味と言っても過言ではありません。
- 後輪をロックさせタイヤを滑らせるトリック
- いろいろな種類がありピストの醍醐味
スキッドポイントとは?
そんなピストバイクの醍醐味ともいうべきスキッド。
後輪をロックさせタイヤを滑らせるので当然タイヤ自体が減ります。
そして、スキッドした際にタイヤが減る箇所はギア比によってある程度決まっており、このタイヤが減る箇所のことを『スキッドポイント』と呼んでいます。
割り切れるギア比の場合
実際のギア比でスキッドポイントを考えてみましょう。
まずは分かりやすくギア比1.0の場合。
ギア比1.0とは『クランクが1回転したら後輪も同じように1回転する』ギア比。
(注:写真を使って説明しますが、これはギア比1.0のバイクではありません)
スキッドをする際のペダル位置は基本的に左右水平の状態で行います。
上の画像は『右足が前』でスキッドした状態と考えてください。
そして、黄色い箇所がスキッドポイントです。
クランクを180度回転。
さきほどの右足は後ろになっています。
クランク1回転に対して、ホイールが1回転なので、スキッドポイントは地面とは反対側の真上に移動しています。
このままクランクを回し、右足が前にくると再び先ほどと同じ位置にスキッドポイントが戻ってきてしまいます。
そうすると、『右足が前』でしかスキッドができない人がいた場合、スキッドでタイヤを擦る位置は必ず同じになるのがわかるでしょうか?
この場合、スキッドポイントは1個しかないということになり、タイヤの消耗が非常に早くなってしまいます。
それではギア比2.0の場合はどうでしょう?
これはギア比1.0の倍なので、『クランクが1回転する間に後輪が2回転する』ギア比。
ギア比1.0と比較して後輪が2倍速く回転しますが、右足が前に戻ってくるときには最初のスキッドポイントに戻ってきてしまうのがイメージできるでしょうか?
これでは、結局タイヤの擦る場所は1箇所だけとなってしまいますので、スキッドポイントは1ということになってしまいます。
このように、ギア比がピッタリと整数で割り切れるような数字の場合スキッドポイントは1箇所となってしまうので、ゴリゴリにスキッドしたい方は避けるのがベターです。
整数のギア比はスキッドポイントが1箇所しかなくなってしまう!
スキッドポイントの計算方法
スキッドポイントは計算によって求めることができます。
ズバリ下の式で求めることができます。
スキッドポイント数 = 前後ギア歯数の最小公倍数 ÷ 前ギアの歯数
とは言え、「最小公倍数ってどうやって求めるんだよ」とか「電卓ないと計算できないじゃん」という意見もあろうかと計算機を作成しました。
難しいことはないのでぜひグリグリ動かしてギア比とスキッドポイントを計算しちゃってください!
計算機はこちら
市販車のギア比とスキッドポイント
安価な完成車として昔から人気のFujiフェザー。
公式サイトを見てみると『46t÷16t=2.88』で、スキッドポイントは8箇所。
多からず少なからずといったところでしょうか。
こちらも昔から安価な完成車をリリースしているMASI。
こちらは『44t÷16t=2.75』で、スキッドポイントは4箇所。
ちょっと少ない気もしますね、、。
東京のBMX、ピストショップとして有名なW-baseが手掛けるDurcus One Master。
わたしが最初に購入したのもこのバイクでした。
こちらは『48t÷17t=2.82』で、スキッドポイントは17箇所!
今回紹介している完成車ではダントツですね。
もともとBMXショップからスタートしていることもあり、メッセンジャーをサポートしたりもしているので、スキッドポイントにも気を使ってリリースしているのかもしれませんね!
スキッドポイントが少ない場合の対処法
「スキッドポイントとか言われても、このギア比が最適なんだ!」
「手持ちのギアこれしかないんだけど、、」
様々な方がいると思いますし、スキッドポイントの少ない完成車を購入してしまった方もいるでしょう。
そもそも、スキッドポイントがたくさんあるギア比が自分に合っているかと言われると、必ずしもそんなことは無いはず。
そんな方のために、簡単にできる対処法の紹介。
左右の脚でスキッドをマスターする
これは基本中の基本でもありますが、左右の脚でスキッドできるようになりましょう。
左右どちらでもスキッドすることができれば、スキッドポイントは確実に増えます!
(ギア比によってはスキッドポイントが単純に2倍になるわけではない)
さらに、どちらか一方の脚が前の時にしかスキッドができないとなると、とっさにスキッドで制動をかけようとしても次のスキッドポイントが巡ってくるまで制動することができません。
左右どちらもスキッドできるのはピスト乗りとしては非常に大切な技術です。
ホイールを回す
タイヤが減ってきたと思ったら、スキッドポイントをずらしてあげましょう!
コグ(後ろのギア)からチェーンを外して少しスキッドポイントをずらしてからホイールを装着しましょう。
そうすることで、それまでのスキッドポイントとは違う場所でスキッドすることになるので、タイヤが長持ちするようになります。
ただし、後輪を外すには15mmのレンチが必要。(Philwoodは六角レンチ)
さらにはホイールを戻す際に左右のバランスを見たり、チェーンの張りを見てホイールを装着する必要もあります。
しかし、これらはパンク修理の際にも必要な技術でもあるので繰り返し練習する必要があります。
モンキーレンチでも作業はできますが、ナットの山をなめてしまうことがあるので、できればこのようなラチェットタイプのレンチが使いやすいと思いますよ!
最終手段
元も子もないんですが、タイヤをたくさん買いましょう!
タイヤを多めに用意しておけば、タイヤが減るなんて恐れることはありません!
スキッド専用というタイヤはありませんので、自分にあった耐久性のあるタイヤを色々試していくのがいいと思います。
ちなみに、わたしがピストバイクに乗りたての頃はMASHメンバーがこぞって使用していたこともあり、みんなVittoriaのRandonneur28cを装着していましたが、今はグレードアップしたバージョンも発売されているようですね。
まとめ
ピストバイクに乗っていれば必ずしも習得しなければいけないというわけでもないスキッドですが、せっかくピストバイクに乗っているなら是非ともマスターしておきたいところ。
そして、スキッドを極めようとするのであれば、スキッドポイントについても重視すべきだと思います。
正しい知識を持って、安全にピストバイクを楽しみましょう!
では!