どうもHOSHです。
自転車盗まれたことありますか?
わたしはあります。
いつもはそんな事ないのに、たまたまロックを掛けなかった間に愛車を盗まれてしまいました。
その自転車は奇跡的に自分のもとに帰ってきましたが、そんなことが起こるのは奇跡中の奇跡。
そもそも愛車にロックを掛けない時点で盗まれても仕方ないですが、ロックを破壊されて盗まれた場合には完全にお手上げになってしまいます。
そんな場合に少しでも愛車の発見確率を上げるため、Appleの紛失防止タグであるAirTagを購入してみました。
今回はAppleの紛失防止タグであるAirTagの
- 仕組みや性能
- 実際に使用した感想
- 悪用に関すること
- 自転車への取り付け方法
などについて紹介しますので、自転車の盗難防止について悩んでいる方がいればぜひ参考にしてみてください。
AirTagを10ヶ月使った使用感や気づいたことについて記事にしました!
AirTagとは
AirTagとは、あのAppleが手掛ける紛失防止タグです。
このAirTagを財布の中や家の鍵にぶら下げておくことで、うっかり落としてしまったり、盗まれてしまった際にiPhoneの『探す』アプリからAirTagの場所を確認できるという代物。
AirTagは10分に1回ほどの頻度でBluetoothの信号を発信。(障害物のない状態で10m程度)
この信号を近くにあるiOSデバイス(赤の他人のものでもOK)が受信することにより、紛失してしまったAirTagの位置がわかる仕組み。
もちろん赤の他人のiOSデバイス上にはAirTagやその持ち主に関する情報は表示されませんし、持ち主の特定などはできません。
『探す』アプリ上で『検出時に通知』をオンにしておけば、見つかった場所と一緒に通知が届く様に設定することも。
AirTag自体はIP67等級の防水防塵性能があるため、水深1メートルに30分間浸しても問題ないようですが、一緒にお風呂に入ったり海水に潜ったりとなるとこの限りではないので注意が必要です。(あまりなさそうですが)
バッテリーは自転車用のライトやサイコンのセンサー等でよく使用されるCR2032で約1年ほど稼働するそうなので、他社製の紛失防止タグよりバッテリーの持ちは良好。
スピーカーも内蔵しており、明らかに部屋の中にあるのに見つからない場合などはiPhoneからサウンドを鳴らし見つけることも。
他のApple製品と同様に、アップルストアから購入すれば表面にメッセージを刻印することもできます。
ちなみにわたしのAirTagはドラゴンボール風味。(正直めちゃくちゃダサい)
iPhoneとのペアリングは非常に簡単で、iPhoneを近くに置き本体の透明なフィルムを引き抜けば後は表示されたとおりに操作していくだけ。
5分もかからないうちに位置情報が『探す』アプリから確認できます。
最新のiPhoneならもっと便利に
iPhoneの『探す』アプリさえ使えればこの便利なAirTagを利用できますが、AirTagにはiPhone11や最新のiPhone12シリーズと同じU1というチップを搭載。
このU1チップにより10m程度の範囲内にAirTagがあれば、『探す』アプリ上にAirTagまでの距離や方向を表示させたり、より深くAirTagの恩恵を受けることができます。
手の届く範囲まで近づけば下のような画面に変わるので、そのまま探すもよし、サウンドを鳴らしてみるもよし。
紛失モード
最新のiPhoneで探して近くにない、『探す』アプリを使っても見当たらないという場合には『探す』アプリから『紛失モード』を有効に。
これを有効にして電話番号やメールアドレスを登録しておけば、紛失物を発見した人がAirTagに端末をかざすことで登録した電話番号やメールアドレスなどが表示されます。(iPhone、Android問わず)
電話となると抵抗感があってもメールアドレスであれば連絡をくれる確率も多少あがるかも?
実際どのくらい見つけてくれる?
※iOS15によってアップデートされた機能についてはこちらの記事をどうぞ
AirTagはひらけた場所(障害物がない状態)で約10mの範囲(Bluetoothが届く範囲)まで電波が届く仕様。
今回はより過酷な状況であると思われる車の中に置いたAirTagを例として紹介してみます。
これはある日の出先から『探す』アプリで確認した自転車と車に付けたそれぞれのAirTagの状況。
それぞれのAirTagが何分前まで位置を特定できていたか分かります。
自転車のたった今というのもなかなか凄いですが、肝心なのは車の中にあるAirTag。
このとき車があったのは自宅の車庫の中。
車庫は金属製でAirTagは車の中、家の中からどれだけ頑張っても5m以上は離れており、AirTagの電波が届くとは思えない環境です。
この日、妻は車に乗っていないと言っていたので、おそらく家の前を通りがかった赤の他人によって位置情報を特定することができたものと思われます。
その後もしばらく探すアプリを使ってAirTagの状態を観測してみましたが、位置の特定に10分以上かかることはあれど、車庫内の車の中でも問題なく位置の特定をしています。
当初車の中に入れておいたAirTagについては、大きな駐車場などで車の置き場所が分からなくなった際に便利かも?くらいに思っていましたが、盗まれるような高級車ではありませんが十分に盗難防止用途にも有効と感じました。
それほど交通量の多くない住宅街の車の中でこれだけ電波が届くのであれば、街中やコンビニに駐輪した自転車に装着したAirTagであれば十分に能力を発揮してくれることは間違いないでしょう。
- 車の中にあってもトラッキング出来た
- 自転車であればもっと容易にトラッキング出来るはず
- 盗難防止にも有効
ストーキングに利用されない?
これだけ有能なAirTagであれば、「簡単に悪用できてしまうのでは?」と考えるのは自然なこと。
結論から言えばAirTagを使っての追跡は可能です。
実際にAirTagを誰かのカバンにポイっと入れてしまえば恐らく10分に1度トラッキングできてしまいます。
この画像は車の中に置いてあるAirTagを妻のiPhoneで補足したときのもの。
妻が子供を連れて公園へ車で出掛けていたそうですが、居場所までしっかり表示されています。
追跡目的で車に載せていたわけではなかったんですが、簡単に追跡できてしまいました。
ただ、この様な悪用に対してはAppleも当然対策を講じており、まず持ち主の手を離れたAirTagは8~24時間に一度ランダムに音が鳴ります。(当初72時間後だった)
この音に仕掛けられた側が気付けば、電池を外しAirTagを停止させたり、シリアルナンバーを控えて警察に届けたりすることができます。
また、自分の物ではないAirTagをポケットやカバンに仕掛けられ、一定時間移動すると、追跡されている事を知らせる通知が端末(今のところiPhoneのみ)に届きます。
さらにそのAirTagにNFC機能(おサイフケータイ的な機能)付きの端末をかざすとAirTagのシリアル番号や電池の外し方が表示されます。
この記事を書いている2021年7月現在、追跡されていることを知らせる通知はiPhnoneにしか届きませんが、近いうちに追跡対策用にAndroidアプリを提供するそうです。
それでも最低8時間は音が鳴らなかったり、現段階ではiPhoneしか追跡を発見出来なかったりと、悪用は出来てしまうでしょう。
ただ、本気のストーカーだったら音が鳴らない、リアルタイムでトラッキング出来るようなGPSトラッカーを使うでしょうし、その点AirTagは対策されているため良心的ではあるかと。
いずれにせよ気付かれるリスクはあるものの比較的簡単に追跡できてしまうため、この記事を読んでいる方で誰かにAirTagで追跡されている事を発見した際には、慌てず自分の端末をAirTagにかざしシリアルナンバーを控えて警察に突き出せるようにしましょう。
- 悪用も出来てしまうが対策はされている
- 追跡されていることを発見したら警察に突き出せる準備を
盗まれた場合の事を考えてみる
ストーキングの項目で説明したことを踏まえて、仮に自転車が盗まれた場合のことを想定してみましょう。
街中でAirTagを取り付けた自転車から離れて、用事を済ませているあいだに誰かが自転車を盗んだとします。
犯人がiPhoneユーザーだった場合
10分に一度は位置情報が更新されるため発見できる確率は非常に高いと言えます。
ただし、こちらが犯人を追跡していることになるため、犯人のiPhoneに追跡されているという通知が表示される可能性があります。
また、8時間以上経過した場合はAirTagから音が鳴ってしまうため、自転車から離れる必要がある場合は駐輪した場所から自分の自転車が動いていないことを『探す』アプリでマメに確認するのがベターかと思います。
犯人がAndroidユーザーだった場合
当然ながら犯人の端末から位置情報の特定はできません。
しかし、日本人のiPhoneユーザーは50%以上いるため、すれ違った歩行者や自転車、信号待ちで並んだ車の運転手がiPhoneユーザーだった場合は十分にチャンスがあると思います。
また、追跡されていることを知らせる通知は表示されないため、8時間以内に盗まれていることに気付くことができれば、自転車を発見できる確率は非常に高いと思われます。
日本国内にはiPhoneユーザーが多いので盗まれた自転車を発見できる確率は高い
自転車への装着方法について
自転車を盗まれた初期段階で犯人にAirTagの存在に簡単に気付かれては、せっかくのAirTagも意味がありません。
サドルバッグなどに放りこむのが一番簡単ですが、すぐに取り外される可能性も。
自転車に取り付けるのであれば取り外すために一手間かかる様な結束バンドやボトルケージ台座に固定するタイプが理想的。
AirTagが発売された直後はあまり種類がありませんでしたが、最近は徐々に自転車用のマウントが増えてきたので使えそうなものを紹介します。
サドルレールに固定するタイプ
構造は単純ですが、パッと見はAirTagが装着されているようには見えず、また2本の結束バンドの隙間も少なくニッパーなどで切るにも数十秒は余分に時間がかかるため、多少は時間を稼げるのではないでしょうか。
結束バンドで固定するタイプ
シートポストに装着するのはやや目立ちすぎなので、ハブに巻きつけるのは取り外しにくさの点で効果的ではないでしょうか。
ボトルケージ台座に装着するタイプ
ボトルケージの下に装着するため気付かれにくいメリットがあります。
また、トルクスなど特殊工具が必要なボルトを使用するなど工夫すれば、盗む側としてはかなり厄介なのは間違いありません。
AirTagの不満点
音が小さい
前述のとおりAirTagにはスピーカーが内蔵されているため、『探す』アプリから音を鳴らすことができます。
また、追跡を知らせる際にもサウンドが鳴りますが、この音が非常に弱々しく小さいです。
例えるならば任天堂のハードで設定などを行っているときに鳴るような優しめなサウンド。(伝われ)
自転車が今まさに盗まれている!という時に警報的にサウンドを鳴らしても雑踏の中では誰も気づかないレベルで音が小さいです。
そもそもの用途が『紛失防止』というところなのかもしれませんが、設定等でもう少し大きな音を鳴らせるようにしてほしいものです。
iPhoneとMacの探すアプリしか使えない
いざAirTagの場所が分からなくなった場合には『探す』アプリを起動する必要がありますが、iPhoneもしくはMacのアプリ上でしかAirTagを探すことができません。(ブラウザ上のiCloudからは利用できない)
これは暗号化の技術を使用している都合上仕方ないようですが、Macユーザーでなく、iPhoneの電池も残り少ないけどAirTagの場所を知りたい!といった場合にはどうすることもできないので注意が必要だと思いました。
使い方の提案
子供に持たせる
月額の利用料もかからずiPhoneから位置を確認できるため、携帯を持っていない幼児のリュックにぶら下げるのは防犯上有効だと思います。
スキー・スノーボード盗難防止
ウィンタースポーツをやらなくなって久しいわたしですが、毎冬スキー・スノーボードの板を盗まれたというようなSNSの投稿を見るような気がします。
AirTagは防水ですし、うまいこと板に取り付けることができれば盗難防止に役立つかもしれません。
スリーブ状で両面テープで貼り付けるタイプのケースが使えるかも?
アレーキャットでなにか出来ないか
目的地に置いてあるAirTagに端末をかざすとメールアドレスが表示され、空メールを送ると次の目的地を知らせる返信がくるとか。
試してないので上手くいくかは全くわかりませんが、アイデア次第で面白い使い方が出来るのは間違いないと思います。
まとめ
Apple渾身の紛失防止タグAirTag。
出るぞ出るぞと噂されてからなかなかリリースされなかっただけあって、とても良く出来ている印象です。
Bluetoothの電波を利用しているため開けている場所でしか使えないと思いましたが、車の中からでも電波が届くことがわかったので、紛失・盗難された際には大いに役立ってくれるはず。
個人的には家の中で車のカギが見つからなくなることが多いので、音も鳴らせて向きまで分かる機能に満足しています。
やむを得ず自転車から長時間離れなければならない際に盗まれていないかソワソワするくらいであれば、AirTagを自転車に付けて『探す』アプリから確認しましょう。
リアルタイムでトラッキングできるわけではないため防犯や盗難防止といった用途オンリーで考えると他社製のオルターロックなどに軍配が上がりそうですが、バッテリーの持ち、月額利用料なしの買い切り、大きさなど導入の容易さとランニングコストの面ではAirTagが有利。
自転車への取り付けるためのマウントも少しずつ増えてきたので、何か良いものがあればまた紹介したいと思います。
AirTagで物理的なロックにプラスアルファの安心を!