どうもHOSHです。
突然ですが、みなさんのロードはどんなコンポで組み上げていますか?
カンパ?SRAM?Shimano?それともカンパ?
ちなみにわたしは『SRAM Force22』です!
様々な方がいると思いますし、それぞれの用途によって一概に何が良いとかというものでもありませんよね。
さて、今回は初の試み。
わたしのチームメイトであり、友人のFJEことJ太郎にSRAMが誇る電動コンポ『SRAM RED eTAP』について、大いに語ってもらいました。
彼は競技時代『SRAM RED22』を長年使用していたので、その感覚の違いなどについても。
※ついに発表となった12速eTAPに関して追記しました(2019/2/8)
J太郎って誰?
本題に入る前にJ太郎に語って貰う前にわたしからかるくご紹介。
もともと、わたしと同じピストバイクに魅せられて自転車に乗り始めたJ太郎。
このブログを年初あたりに復活させた頃、よくトレランやクロスカントリースキーに一緒に行っていたので、知っている方も多いかも?
競技生活について
J太郎は、一昨年に競技を退くまで北海道のロードレースでは道内屈指の強豪チームに所属しエリートクラスで戦っており、その実力は折り紙付き。
シクロクロスの実績で言えば、2015年の野辺山スーパークロスで初出場ながらC4で3位入賞一発昇格。
翌2016年のシクロクロス東京ではC3で出場し見事2位となりC2へ昇格するなど、ビッグレースで確実にポディウムにあがる事から『ビッグレースハンター』なんて呼ばれることも。
そんなガチレーサーであった彼の機材に対する話は普段のわたしの記事とは密度が違いますので各自刮目してご覧いただければ!
以降はJ太郎による記事になります!
Hello I’m J太郎
どーも、HOSHのブログに寄稿させていただくJ太郎です。
NorthWheelieの幽霊部員であり、たびたびライド・トレラン・XCスキーなどの記事で登場させて頂いているものです。
既にHOSHから簡単に説明がありましたが、今回は『SRAM RED eTAP』についてのお話をします。
インプレサイトだけではわからないこと、もっと知りたいことや、それぞれのeTAPユーザーがどのようにしているかを共有できればと思い寄稿しました。
ありがとうHOSH!
eTAPってこういうもの
2万時間、50万kmにも及ぶテストから誕生したレッド・イータップ。
満を持して送り出された電動コンポーネント最大の特徴は、無線通信方式を採用していること。シフトケーブルを排除した事で断線等のトラブルを回避し、スマートなアッセンブルが可能になる。
独自開発の128ビットで暗号化する通信プロトコルが、混信やジャミングを回避する。操作はシフターの右レバーでアップ、左レバーでダウン、両シフター同時押しでフロントが変速する方式。F1のパドルシフトのようであり直感的な操作が可能だ。前後のディレイラーのバッテリーは約60時間、1000kmの走行が可能。
また、任意の位置に最大4個増設可能なBlipsポート(サテライトスイッチ)により、TT・スプリント・クライミングのほか、様々なライディングポジション・ハンドルバーへの無限のアレンジを可能にする。
eTAPはなんぞやっていうのは上の説明文の通りですが、要するにSRAMの最上級コンポであるREDがワイヤレスの電動になった代物。
先行してリリースされていたShimanoの電動コンポであるDi2との大きな違いはワイヤレスという部分。
Di2では機械式のワイヤーの代わりにエレクトリックワイヤーと呼ばれる電気的なケーブルを這わせており、ケーブル配置の自由度は高いものの結局ケーブルを使わなければなりません。
『変速=ワイヤー』という常識を覆す革新的なコンポーネント、それが『SRAM RED eTAP』という訳です。
- eTAPはSRAMの電動コンポ
- Di2との違いはワイヤレス
- 『変速=ワイヤー』という常識を覆す革新的なコンポ
eTAPにした経緯
レースというステージから遠ざかっている僕がeTAPにした経緯について軽く説明します。
仕事も家庭も忙しくなり趣味で皆と時間が合えばライドに行ったりするくらいとなっている中、eTAPなら自分でメンテ等が容易に出来ると考えたためです。
また、仕事の都合で関東圏へ行くことも増えてきているので、輪行にともなうトラブル等も考えてeTAPを取り入れてみました。
ですが第一世代というのは初期不良や過渡的なシステムもあるだろうと見送ってましたが、もともとSRAM RED 22(機械式)を使っていたこともあり、純粋な興味(ミーハー)から導入するに至りました。
- メンテが容易そう
- 輪行トラブルが減りそう
- 純粋な興味から(ミーハー)
僕のバイク
さて、そんなeTAP付けた僕の実機をご紹介します。
FRAME : Kualis ti Road ISP / PAREE Carbon Folk
HEAD : Canecreek 110 Silver
STEM : Kualis ti Stem
HUNDLE : ZIPP AL
SADDLE : S-WORKS Romin ProCarbon 135mm
CRANK : Quauq Power / SRAM RED
CHAINRING : SRAM RED 53/39
COMP : SRAM etap
BRAKE (F/R) : SRAM Force
WHEEL(F/R) : ENVE SES 4.5 Chrisking Hub(pewter)
TIRE : S-WORKS turbo cotton
CASETTE : DURA-ACE 11SPD / 12-25
といった感じです。
総重量は正直カーボンには全然劣りますし、ほどほどにはあります。
しかし、もともとスチールフレームがずっと好きで乗っており、カーボンとスチールの間の感触を目指してTi(チタン)でフルオーダーをかけました。
このKualisのチタンフレームは札幌の『Rond』熊坂君によりフィッティング、さらに乗り方について要望を聞いてもらい、可能な限り思い描くものを詰め込んで具現化してもらいました。
正直これ以上ない乗り味で最の高です。
この辺のフルオーダーについての詳細もまた機会をもらえたら寄稿させてもらいたいと思います。(勝手に準レギュラー化)
eTAPの取付は簡単
さて、本題に入る前にひとこと言わせてもらいますが、
『SRAM RED eTAP』というのは取付が死ぬほど簡単です。
実際に僕が取り付けた際、細かい調整は抜きにして30分~1時間程度で作業は完了しました。
ただ、
『死ぬほど簡単=安全面や取付方法を軽視すると死が待っている』とも言えます。
僕の場合、ロードレースをシリアスにやっていた時期に監督でありメカニックである『おやっさん』にそこのところを数年うるさく叩き込まれた歴史があり、これまで自分のバイクを何台も仕上げた経験があります。
ワイヤレスだから取り付けが簡単というのは間違いありませんが、簡単だから適当な作業で良いということにはなりません。
ご自身での作業に不安がある場合は、必ずプロショップで取付、調整をお願いしてください。
取り付けは簡単ですが初心者は必ずプロショップで取付けましょう
実際に使用してみて
続いて取り付けてから約1年が経過した『SRAM RED eTAP』の感触についてです。
結論から言うと、『問題はほぼない』です。
「ほぼって何だよ!」という声が聞こえてきそうですが、本当にほとんど問題ありません。
ただ、従来の機械式と比較して若干ですが変速にラグがあります。
電波方式であるが故なのか機械式よりはワンテンポ(感覚では0.5秒~0.7秒くらい)遅く癖がある印象です。
細かい感覚ですが、ワイヤー式の場合完璧にセッティングされているとクランクにトルクがかかっていてもダイレクトに変速がパパンッ!と行われストレスはありませんでした。
しかし『SRAM RED eTAP』の場合、は癖を考慮し自分のトルクを少し遅くかけることを
計算して変速スイッチの押し込みを行い、チェーンリングとスプロケにストレスがかからない(チャラつかない)ようにしています。
有線式の電動コンポである『SHIMANO Di2』などはPCにてキャリブレーションを行い 変速速度など細かい調整が可能となっておりますが今現状『SRAM RED eTAP』ではそこまでの処理は出来ません。
ただ、ファームウェアのアップデートは可能のため今後反応速度を劇的に改善するようなバージョンアップに期待したいところです。
まあそれでも十二分に使えて走れてタイムも出ているので”お前こまけ〜よ”って方々から言われそうですが。
- ワイヤー式と比べて変速がワンテンポ遅い
- 変速に関する細かい調整は現状では不可能?
プロの目から見たeTAP
僕が見たり聞いたりした中から紹介します。
僕が愛聴している、元ブリヂストンアンカーに所属し全日本TTチャンプでもあった西薗良太選手のPodcast『Side by Side Radio』第10回の放送にて、「思ったよりは問題がなくて、思ったより問題無いわりに売れない」と語られていました。
これについては全くもって同意見。
世界最高峰のレースである『Tour de France』でも『SRAM RED eTAP』は使用されており、プロコンチネンタルチームであるカチューシャ・アルペシンが実際に使用していました。
ただ、この記事を見ていただくとわかるようにスプリンターであるマルセル・キッテル選手はDi2のスプリンタースイッチをサテライトで使っているようです。
ちなみに『SRAM RED eTAP』にも『Blip』と呼ばれるサテライトはあります。
これは単純にeTAPのサテライトでは使い勝手やサイズ感などが違うので好みに合わせたのか?
はたまたプロ故に出来る魔改造を行ったのか?
定かではありませんがスプリンターであれば変速タイミングなどは一番ストレスなくトルクをかけ踏みたいところですから何かあるのかもしれません。
SLOGに相談してみよう
きっと僕が感じているストレスというのは単純にディレイラーの細かい調整やチェーンテンションなどのメカニックの”ノウハウ”で取り除けるのかもしれません、
「SRAM RED 22(機械式)をとの変速感覚との差を埋めたい」この一心です。
”機械の限界”といえばそれまでなのですが、「出来るだけやってみたいじゃないですか!」というところです。
そんなわけで、早速以前こちらのBlogにも登場しておりました『SLOG』さんにお邪魔してきました。
SLOGの店主熊ちゃんもeTAPは初めて。
「確かにほんのワンテンポ遅く感じますね」とのこと。
SRAMの組み付けセオリーに合わせて調整を進めてもらった結果相当パシッと決まりました!
ただ、やはり若干の変速ラグ、、。
やはりワイヤー式のように追い込むことは難しい様で、今のところこれが機械の限界なのかと。
点数をつければ90点くらいの感覚。
もっとシビアな取り付けを行えばより良い感覚に近づけれるかと熊ちゃんも引き続き調べてくれると言っておりました。
ありがとう熊ちゃん!
12速eTAPの登場
結果的にはやはり機械の限界なのか!といったところですが、先日の『ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム』でプロトタイプとおぼしき12速のeTAPが!
いろいろと気になる部分もありますが、それはまた別の機会として、、。
これを機にファームウェアのアップデートや反応速度の早いeTAPがリリースされればいいですね!
※ついに発表となった12速eTAPに関する記事はこちら(2019/2/8追記)
まとめ
というわけで、結局のところ現状では機械式よりは若干の変速ラグは解消しきれないという結果に、、。
しかし、直感的でわかりやすい変速方法とワイヤレスでスッキリと組み上げることができるというのはShimanoと比較するとかなりのアドバンテージな気がします。
お漏らしっぽいですが、12速の情報も出てきて今後にも期待が持てますしね!
これからもeTAPは使い続けていくので、また何か情報があれば共有していきたいと思います!